ピロリ菌とは、正式にはヘリコバクター・ピロリと呼ばれる細菌であり、主に胃内に生息します。健康な胃内は強い酸性環境下にあり、通常の微生物は生きにくい環境です。ピロリ菌は胃内に存在する尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、胃酸を中和します。そのため胃内で生き抜くことができるのです。
ピロリ菌に感染した状態でも、症状がすぐに出るとは限りません。除菌もせずに放置すれば慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどの病気を発症させる原因になります。感染が確認された場合は、速やかな除菌治療が必要です。
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ピロリ菌感染の有無を調べる検査には、下表のようにいくつかの方法があります。
ピロリ菌感染の診断後、除菌治療を行います。制酸剤と抗生剤2種類(一次除菌)を、1日2回、1週間服用します。終了後1ヵ月で除菌判定の検査を行います。除菌薬で下痢、発疹、味覚障害、口内炎などの副作用がみられることもあります。一次除菌で除菌不成功であれば、二次除菌をします。除菌成功率は、一次除菌が70~80%程度、二次除菌で90%程度です。二次除菌不成功の場合は、三次除菌も可能ですが、この場合の治療は保険適用外となります。三次除菌可能な施設へご紹介します。