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糖尿病は、何らかの原因で血液中のブドウ糖が細胞にうまく取り込めなくなってしまい、持続的に高血糖を起こす病気です。長期にわたって血糖値が高い状態が続くと、全身の血管に様々な問題が現れ、心筋梗塞や脳梗塞、人工透析、失明など、深刻な事態に陥ることも少なくありません。いったん糖尿病に罹患すると、なかなか完治させることが難しいのですが、お薬などを使用して血糖値を正常に保ち、さらに体重や血圧、血中脂質も良好な状態に保てれば、合併症を起こさずに健康を維持することは十分に可能です。そのためには、なるべく早い段階で治療を開始することが大切です。
高血圧は、ある一定の範囲を超えて血圧が慢性的に高くなってしまう病気です。血管に血液を送り出すときには心臓がポンプみたいに伸縮するのですが、血液が流れる際に血管にかかる圧力が高くなると様々な問題が起こります。なお、血圧には収縮期血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最低血圧)があります。高血圧と診断される数値は、外来時に測定した最高血圧が140㎜Hg以上、最低血圧が90㎜Hg以上の場合です。
このように血圧の高い状態が慢性的に続くと、血管壁が圧力によるダメージを受けます。そのことで血管壁が厚くなったり、硬くなったりする動脈硬化の原因になり、その結果、狭心症や心筋梗塞、脳卒中、腎臓病などを起こしやすくなります。塩分を摂り過ぎる方、タバコを吸われる方、お酒を飲み過ぎる方、定期的な運動を行っていない方は高血圧になりやすいので、まずは生活習慣を見直すことが大切です。
脂質異常症は、血液中に含まれる悪玉コレステロールや中性脂肪の濃度が慢性的に高くなったり、善玉コレステロールが慢性的に低くなったりする病気です。脂質異常症を放置すると動脈硬化が進行し、やがて心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす原因となります。ご飯を食べ過ぎる方、脂っこい料理を好まれる方、喫煙者、運動不足の方は脂質異常症になりやすいので、なるべく早い段階で医療機関を受診し、食事療法や運動療法、薬物療法を受けるようおすすめいたします。
血液中に含まれる尿酸が多くなると、高尿酸血症と診断されます。尿酸は水分に溶けにくい性質なので、血液中では尿酸塩として存在しています。これが少ない段階では特段の問題を引き起こしませんが、濃度が高くなるにつれて、尿酸塩の結晶が作られていきます。これは針状の形をしていているので、足の親指などの関節に溜まっていくと、激しい痛みを伴う「痛風発作」が起こります。耐え難い痛みは数日~1週間で落ち着きますが、放置していると腎臓障害などを引き起こすこともあります。なお、痛風患者さまの9割以上が成人男性です。